13画 (9)  2級


[音] セン
[訓]
せんじる
せま

《意味》

  1. いる。にる。物をなべ底に並べて平均して熱し水気をとる。水分がなくなるまでにつめる。
  2. いじめる。なべでいるようなつらい思いをさせる。「煎督(せんとく)

【煎る】いる

火にかけてあぶり、水気をとばす。
「ごまを煎る」

【煎じ詰める】せんじつめる

  1. 薬草などを成分がすっかりしみ出るまでせんじる。
  2. ある問題を討論や研究によって結論を出すところまで考える。
    「その問題を煎じ詰めると」

【煎じる】せんじる

薬草や茶などの成分をよく煮出す。

【煎水作氷】せんすいさくひょう

全く不可能なこと。
水を煮詰めて氷を作る意。
縁木求魚(えんぼくきゅうぎょ)」「敲氷求火(こうひょうきゅうか)

【煎督】せんとく

きびしく督促する。

【煎餅】せんべい

小麦粉または米粉を水でこね薄くのばして焼いた菓子。また醤油(しょうゆ)をつけて焼いた米菓子。

【煎る】にる

水分を飛ばして煮詰める。
煮詰めて水分を出させる。煮出す。

【肝煎り】きもいり

世話をすること。また、世話をする人。
「有志の肝煎りで同窓会を開く」

火自煎】こうかじせん

自分自身の才能によって災いをまねくことのたとえ。
」はあぶら。「煎」は焼く意。あぶらは自分自身がもえてなくなってしまうことから。

(つめ)(あか)(せん)じて飲む】つめのあかをせんじてのむ

〔すぐれた人の言行を見ならって〕その人にあやかるようにする。

【二番煎じ】にばんせんじ

前にあった趣向をまねること。また、そうした新鮮味のないもの。
茶・薬など一度せんじたものをもう一度せんじることから。また、そのせんじたものから。

【焙煎】ばいせん

火で()ること。特にコーヒー豆などをあぶりこがすこと。

【湯煎】ゆせん

容器に入れたものを湯にひたして、間接に熱すること。
「バターを湯煎してとかす」

《字源》

「月」の部分は舟(盤)を表すので(ふなつき)が正字となる。
声符は「前(ゼン)「前」の正字はあるいは「止刀」
「止」は足の指。「舟」は盤。
「前」は盤中の水で足を洗って、刀で爪を切りそろえる字で、「揃(そろえる)の初文。

《字体》

「月」の形には字源的に3種類ある。
①天の「月」由来の、②「舟」由来の、③「肉」由来の

 

①は中の短い横画が右の縦画にくっついておらず、わずかな隙間がある。
②は中が点々になっている。
③は横画が左右の縦画に完全にくっついている。

 

「前」の「月」は②に相当するが、唐代より①②③いずれも楷書では①や③のように書いてきた。
特に筆で書く場合、①の方が、内がゆったりとして美しく、書きやすいからだと思われる。
だけではなく」「」「なども①と同様に書かれてきた。
文部省活字では、③で統一されているが、①も許容されている。

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