【潰】 15画 (12)  2級


[音] カイ
[訓] つぶ
  つぶれる
  ついえる
  みだれる
  つぶ

《意味》

  1. ついえる。つぶれる。みだれる。くずれさる。ぶちこわす。
  2. 戦争に負けて、隊列がくずれる。ちりぢりになる。

【潰走】かいそう

戦いに負けて秩序なく逃げること。
敗走(はいそう)」「潰散(かいさん)
「壊走」とも書く。

【潰滅】かいめつ

組織・機構などが崩れてすっかり滅びること。また、滅ぼすこと。
「壊滅」に書き換えられる。

【潰瘍】かいよう

皮膚・粘膜などの組織が炎症を起こして、深部まで(ただ)れ崩れること。また、その状態。
「胃潰瘍」

【潰乱】かいらん

組織や秩序などが崩れ乱れること。特に、戦いに敗れて、ちりぢりに乱れること。
「壊乱」に書き換えられる。

【潰える】ついえる

  1. 崩れる。つぶれる。壊れてだめになる。
  2. 戦いに負けて総崩れになる。
  3. 希望や計画などが破れて実現できなくなる。「夢が潰える」

【潰し】つぶし

  1. つぶすこと。また、そうしたもの。
  2. 金属製品や紙製品を、溶かしたりばらばらにしたりして、再生原料にすること。また、そのもの。「潰しの値段」
  3. 空いている時間を埋めること。「時間潰し」「暇潰し」
《潰しが効く》つぶしがきく
それまでの職業をやめても、他の職業また他の分野の仕事でも十分やっていく能力がある。

【潰す】つぶす

  1. 立体物に外から力を加えて、形を崩す。「卵を落として潰す」
  2. 機能を失わせる。役に立たなくする。「声を潰す」
  3. 組織したものを立ちゆかなくさせる。滅ぼす。「家を潰す」「会社を潰す」
  4. 体面や心の平静を失わせる。「顔を潰す」「肝を潰す」
  5. 空いたところや時間を埋める。「時間を潰す」「塗り潰す」

【決潰】けっかい

堤防などが破れて崩れること。
「決壊」に書き換えられる。

【穀潰し】ごくつぶし

何の能力もないのに、飯だけは一人前に食う者。何もしないで遊び暮らす人。なまけ者。
人を(ののし)っていう語。

【全潰】ぜんかい

建物などが、すっかり壊れてしまうこと。
「全潰家屋」
半壊(はんかい)
「全壊」に書き換えられる。

【倒潰】とうかい

倒れ壊れること。倒れつぶれること。特に、建造物が倒れつぶれること。
「倒壊」に書き換えられる。

【破潰】はかい

  1. 軍隊が破れ崩れること。また、破り崩すこと。
  2. 堤防や山などが壊れ崩れること。また、壊し崩すこと。

【崩潰】ほうかい

  1. くずれこわれてしまうこと。
  2. 放射性元素が放射線を出して別の元素に変わること。
「崩壊」に書き換えられる。

潰堤】ろうぎかいてい

ほんの些細なことが、大きな事件や事故の原因になること。
「螻蟻」はケラとアリ。「潰堤」は堤防が崩壊する意。
ケラやアリのような小さな虫が開けた穴でも、堤防を崩壊させる原因になることがあるという意。
「蟻の穴から堤も崩れる」「小隙沈舟しょうげきちんしゅう

《字源》

声符は「貴(き)(きょく)+貝」で、貨幣や宝物としての貝を両手で捧げる形。
貴重なものとして扱う意を示す。
「潰」は、宝貝や貝貨が壊れやすいことから派生した意味と思われる。

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