10画 (8)  2級

同字【剥】


[音] ハク
ホク
[訓] がす
  がれる
げる

《意味》

  1. はぐ。むく。ぽろぽろと表面をはぎとる。皮をむく。
  2. はげる。むける。ぽろりとはげてとれる。

【剝き身】すきみ

魚肉などの薄く切ったもの。

【剝がす】はがす 

表面に付着している物やおおっている物を、めくりとる。はぎとる。
「ポスターを剝がす」

【剝ぐ】はぐ

  1. おおっているものを、めくるようにして取り除く。身につけているものを取り去る。脱がす。
  2. 奪い取る。取り上げる。
    「身ぐるみ剝ぐ」

【剝製】はくせい

動物の皮をはぎ、肉・内臓のかわりに綿・芯などを入れて皮を縫い合わせ、生きた姿に似せた形を作ること。また、そのもの。標本や装飾品にする。

【剥棗】はくそう

旧暦の八月。(なつめ)の実が割れる頃の意。

【剝脱】はくだつ

表面が薄い膜のようにはげてとれること。また、はがしとること。
「塗料が剝脱する」

【剝奪】はくだつ

はぎ取ること。むりに取り上げること。
「市民権を剝奪される」

【剝落】はくらく

表面が薄い膜のようにはがれておちること。
「樹皮が剝落する」

【剝離】はくり

はがれること。また、はがすこと。
「網膜剝離」

【剝き身】むきみ

アサリ・ハマグリなどの貝殻を除いた中の肉。抜き身。
「すきみ」と読めば別の意になる。

【剝く】むく

外側をおおっているものを取り去る。あらわにする。
「りんごの皮を剝く」「牙を剝く」

【生活剝】せいどんかっぱく

他人の詩文・語句などをそのまま盗みとること。剽窃。
いきたままの皮をはぎ、まるのみする意から。
「活剝生」とも書く。

【剽剝】ひょうはく

  1. 表面がはげて落ちること。
  2. 文字やことばで攻撃すること。

【落剝】らくはく

はげ落ちる。はがれ落ちる。

《字源》

「彔(ろく)+刀」
「彔」は錐で木を削り木屑(きくず)が散る形。
しかし、「剝」の場合は錐もみの形ではなく、篆書の字形は「彖(たん)に近く、獣の形。その獣皮を刀で剝ぎとる意。
「剝」の篆書。

《字体》

唐代から、手書きの楷書ではの形で書かれてきた。
「緑」「録」「」「縁」「」「篆」「なども同様で、唐代以降の先人達は、運筆の面やバランスから、「彑」の部分はカタカナの「ヨ」みたいに書いてきた。
常用漢字はそれを採用しており、それに倣って表外漢字もそのように書いて差し支えない。
平成22年告示の新常用漢字では、「剝」の字体を正字、「剥」を許容としていますが、もちろんと書いて差し支えない。
:康煕字典の形。
:伝統的な楷書の形。
:伝統的な楷書の形。

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