【吠】 7画 (4) 準1級


[音] ハイ
バイ
[訓] える
 

《意味》

ほえる。犬が鳴く。

【吠える】ほえる

  1. 犬やけものが威嚇などのために大声で鳴く。
  2. どなる。わめく。「酒に酔って吠える」
  3. 人が泣く。
「吼える」「咆える」とも書く。

【吠影吠声】はいえいはいせい 

一人がうそを言い立てると、多くの人がそれを伝えて、真実らしく聞こえるようになるということのたとえ。
付和雷同することを戒めた言葉。
一匹の犬が物影におびえてほえると、周りの他の犬もそれにつられてみんな吠え出すという意。
「影に吠え声に吠ゆ」が書き下し文。
「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」「一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」ともいう。
「吠形吠声」「吠夜之犬(はいやのけん)」「付和雷同」

【吠日之怪】はいじつのあやしみ 

見識の狭い人が賢人の言行を疑って非難することのたとえ。
蜀の地方は、山国で雨や霧が多くて太陽を見ることが少ないので、たまに太陽を見ると、犬が怪しんで吠えたてるということから。
蜀犬吠日(しょくけんはいじつ)」「呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ)」「越犬吠雪(えっけんはいせつ)

吠緇衣】くはいしい 

いつも着ている服装を変えると怪しまれてしまうこと。
「狗吠」は犬が吠えること。「緇衣」は黒い衣服。
「狗緇衣に吠ゆ」が書き下し文。
楊朱の弟の楊布が白衣で外出して雨に濡れ、黒衣で帰ると飼い犬が楊布に気づかず吠えた。怒った楊布が殴ろうとすると、楊朱が「白い犬が黒くなって帰ってきたら、お前も怪しむだろう」と制したという説話から。

【蜀犬吠日】しょくけんはいじつ 

見識の狭い人が賢人の言行を疑って非難することのたとえ。
また、見識の狭い者が無用の疑いを抱いて非難すること。
蜀の地方は、山国で雨や霧が多くて太陽を見ることが少ないので、たまに太陽を見ると、犬が怪しんで吠えたてるということから。
吠日之怪(はいじつのあやしみ)」「呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ)」「越犬吠雪(えっけんはいせつ)

【跖せきくはいぎょう 

人はそれぞれ自分の仕える主人に忠を尽くすもので、善悪をわきまえて尽くすわけではないということ。
また、善悪の評は立場をかえれば逆になることのたとえ。
大どろぼうの盗跖(とうせき)の犬が、聖人の尭帝に対してほえるという意。

犬群吠】ゆうけんぐんばい

つまらない者同士が集まって、あれこれ騒ぎ立てること。
村里の犬が集まって盛んに吠えたてる意から。

鳴犬吠】ろめいけんばい 

下手でつまらない文章や聞く価値のない話のたとえ。
(あめいせんそう)」「驢鳴(ろめいくばい)」「驢鳴牛吠(ろめいぎゅうばい)

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