【囊】 22画 (19) 準1級

交換略字【嚢】


[音] ノウ
ドウ
[訓] ふくろ
 

《意味》

ふくろ。中に物を入れこむふくろ。

【嚢之計】のうしゃのけい

漢の韓信が多くの土嚢で川の上流をき止め、敵が川を渡ろうとするとき一挙に水を流し敵を打ち破ったという計略。

【囊中】のうちゅう

  1. 袋の中。
  2. 財布の中。転じて、所持金。「囊中が乏しい」
《囊中の錐》のうちゅうのきり
才能のある者は凡人の中にあっても、自然にその真価があらわれることのたとえ。
(きり)は袋の中に入れてもその先がつき出ることから。
《囊中無一物》のうちゅうむいつぶつ
財布の中に何もない。一文なしであること。

【嚢底】のうてい

袋の底。特に、財布の底。「嚢底をはたく」

【囊】ふくろ

紙・布・革など、やわらかく自由にまげられる材料で作り、一つの口から中に物を入れられるようにしたもの。物が入っていないときは自由に折り畳める。

【衣嚢】いのう

衣服にとりつけたふくろ。かくし。ポケット。

【陰嚢】いんのう

哺乳類の雄の陰茎基部にあって下垂し、精巣(睾丸)・副精巣などを内部に含む袋。
「ふぐり」とも読む。

【酒嚢飯袋】しゅのうはんたい

無知無能な人の形容。
酒の袋に飯の袋の意で、大酒飲みで大食らいな人を指す。
酒甕飯袋(しゅおうはんたい)」「無芸大食」「行肉(そうしこうにく)

【知嚢・嚢】ちのう

  1. ちえぶくろ。深くたくわえられた知恵。
  2. 相手の出鼻をくじくような一撃を与える。

【松陰嚢】まつぼっくり

松の実。種子は鱗片の内側にある。まつふぐり。松かさ。
「松毬」とも書く。
「まつふぐり」の転で、形が陰囊に似ていることから。

《字源》

声符は「襄(じょう)
字の上部は袋の口をくくった形。
篆書の字形によると、袋の象形である「東」に声符を加えている形。
「東」は上下をくくって結んだ袋の形で、「東」がのち方位の東西の意味のみに用いられるようになり、元の意味を保存するために声符「石」を加えた「橐(たく)が作られた。
「東」の篆書。
「橐」の篆書。
「囊」の篆書。

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