【塡】 13画 (10)  2級

異体字【填】


[音] テン
[訓] ふさ
ふさがる
うずめる
うずまる
める

《意味》

  1. ふさぐ。ふさがる。
  2. うずめる。すきまや穴を詰めて満たす。はめる。

【塡まる】うずまる

  1. 物に覆われて外から見えなくなる。
    「雪で溝が塡まる」
  2. 場所が人や物でいっぱいになる。
    「店が客で塡まる」
「埋まる」とも書く。

【塡足】てんそく

不足を補うこと。補充。

【塡てんそく

うずめふさぐこと。いっぱいに満ちふさがること。

【塡補】てんぽ

不足したり欠けたりしているところをうずめ補うこと。補塡。穴うめ。
「小遣いから足りない分を塡補する」

【塡める】はめる

  1. 穴・(わく)などにぴったり合うように押して入れる。また、外側にぴったりとかぶせる。
    「戸を塡める」
  2. だまして計略にかける。また、(悪い品物を)だまして売りつける。
    「敵を計略に塡める」
「嵌める」とも書く。

【塡ぐ】ふさぐ

  1. 隙間(すきま)や穴などを()める。うずめる。
    「セメントで穴を塡ぐ」
  2. 覆い閉ざす。(ふた)をする。
    「耳を塡ぐ」
ぐ」とも書く。

【充塡】じゅうてん

物を()めて、欠けた所や隙間(すきま)などを埋めること。
「虫歯を金属で充填する」

【精衛塡海】せいえいてんかい

無謀なことを企てて力を費やし、ついに徒労に帰するたとえ。
また、いつまでも悔やみ続けること。
「精衛」は海辺に棲むという古代中国の想像上の小鳥の名。
中国古代伝説上の皇女が海で溺れ死んでしまう。精衛という小鳥に化身して、小石や小枝をくわえては海をうずめようとしたが、とうとうその功はなかったという伝説から。
「精衛海を塡む」が書き下し文。

【装塡】そうてん

中に()め込んで準備すること。特に、銃砲に弾丸をこめること。
「弾丸を装塡する」「フィルムを装塡する」

【補塡】ほてん

足りない部分を補ってうめること。
「会社の借金を何とか補填する」

【門塡隘】もんこうてんあい

門前などに人がいっぱい()めかけること。
「巷」は門前の小道。
門と巷が人でうずまって狭くなることから。
門巷塡集(もんこうてんしゅう)

《字源》

声符は「眞(真)(しん)「眞」「七(か)(化=死者)と「県(縣=首を逆さにした形)から成り、行き倒れの死体を意味する。行き倒れの死体は激しい怨念を持つものとして恐れられ、その怒り()を柔らげるために、丁重に塡(うず)められ、その霊を鎮(しず)めた。

《字体》

「眞」の部分は、常用漢字採用の字体「真」で書くのが、隷書の頃からの主流。
手書きの楷書では、「塡」「填」と書いて差し支えない。
2010(平成22)年告示の常用漢字表に「塡」が追加されたが、旧常用漢字表の「真」に合わせて「填」を標準字体とするべきであろう。

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