【塞】 13画 (10)  2級


[音] サイ
ソク
[訓] ふさ
  ふさがる
ちる
とりで

《意味》

  1. ふさぐ。ふさがる。とざす。
  2. とりで。要害の地。

【塞翁が馬】さいおうがうま

人生における幸・不幸の予測しがたいことのたとえ。人間万事塞翁が馬。
昔、塞翁の馬が隣国に逃げてしまったが、名馬を連れて帰ってきた。老人の子がその馬に乗っていて落馬し足を折ったが、おかげで隣国との戦乱の際にも兵役をまぬがれて無事であったという故事。
塞翁失馬さいおうしつば
(ほくそえ)む」

【塞班】サイパン

西太平洋、マリアナ諸島中の小島。アメリカ合衆国の自治領、北マリアナ連邦に属する。
Wikipediaサイパン島

【塞の神】さえのかみ

悪霊の侵入を防ぐため村境・峠・辻などにまつられる神。旅の安全を守る神。また、生殖の神、縁結びの神ともする。さいのかみ。どうそじん。
「障の神・道祖神」とも書く。

【塞納】セーヌ

フランス北部を北西流する河川。ラングル高地に源を発し、パリを貫いてイギリス海峡に注ぐ。
Wikipediaセーヌ川

【塞く】せく

  1. 流れをさえぎってとめる。せき止める。
  2. 物事の進行、人の行動などをさまたげる。人を隔てて遠ざける。特に男女の仲についていう。
く」とも書く。

【塞丙牙】セネガル

アフリカの西端、大西洋に面する共和国。
Wikipediaセネガル

【塞源】そくげん

根源をふさいで害を断つこと。
「抜本塞源」

【塞栓症】そくせんしょう

血管やリンパ管の中でできたり外から流れこんだりしたいろいろの遊離物が、血液やリンパ液によって流されて細管に入り、管をふさいでしまうことによって起こる病気。血栓塞栓症・脂肪塞栓症・空気塞栓症など。

【塞】とりで

本城から離れて設けられた小さい城。規模の小さい城。または、外敵を防ぐために築造した建造物。要塞。
・寨」とも書く。

【塞ぐ】ふさぐ

  1. 穴などに、ふた・詰めものなどをして、さえぎり通じなくする。特に、耳・目・口などを手などでおさえておおう。
  2. 開いていたものをとじる。「口を塞ぐ」
  3. 場所を占めていっぱいにする。じゃまをする。「荷物が道を塞ぐ」
  4. 責務を(何とか)果たす。
  5. 気分が晴れずにいる。憂鬱になる。
    ぐ」とも書く。

【堅塞固塁】けんさいこるい

非常に堅固なとりで。
厳塞要げんさいようきょう

【梗塞】こうそく

  1. ふさがって通じなくなること。
  2. 動脈がふさがることによって、その流域下の組織に起こる壊死えし
    「脳梗塞」

【黄霧四塞】こうむしそく

天下の乱れる兆し。黄色の霧が四方に立ちこめること。

【四塞之国】しそくのくに

四方を山や川に囲まれて攻めにくく守りやすい要害の国をいう。
四塞之地しそくのち」「山河襟帯さんがきんたい」「要害之地ようがいのち
四戦之地しせんのち」「四戦之国しせんのくに

【充塞】じゅうそく

満ちていっぱいになること。また、満たしてふさぐこと。

【城塞】じょうさい

城ととりで。城。

塞】てんそく

うずめふさぐこと。いっぱいに満ちふさがること。

【抜本塞源】ばっぽんそくげん

根本となる要因を徹底的にとり除くこと。
木の根を抜きとり、水の源をふさぐ意から。

塞】ひっそく

  1. 生活がつまって暮らしにくくなること。経済的にゆきづまること。
    しめつけられて動きがとれないこと。
    「経済が逼塞状況に陥る」
    「逼迫」
  2. 落ちぶれて、世のかたすみでひっそり暮らすこと。
    「山深い村に逼塞する」
  3. 江戸時代、門をとじさせて昼間の出入りを禁じた、武士・僧侶に対する刑。
    「閉門」より軽い刑。

【閉塞】へいそく

閉じてふさぐこと。ある部分をふさいで他の部分との連絡を断つこと。

【閉明塞へいめいそくそう

世間の事物と接触を断ち切ること。また、現実から逃避すること。
「聡」は耳が良く聞こえること。世間の出来事や事物から目をつむり、耳をふさいで関係を持たない意。
「明を閉じそうを塞ぐ」が書き下し文。

【防塞】ぼうさい

敵を防ぐ、とりで。防塁。

【要塞】ようさい

戦略上の重要地点に設けられる、主に防衛を目的とした軍事施設。

《字源》

(そく)+土」
「塞」の初文で、建物(「宀」)などの入口を、呪具の「工」を手(「廾」)で重ねて詰め込み、邪霊などをそこに封じこめる意。
「土」は土地神。
道路や辺境の要地に(とりで)を設けて土神を(まつ)り、異族神や邪霊の通行を禁ずる呪禁とした。
「塞」の篆書。

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