【稽】 15画 (10) 準1級

異体字


[音] ケイ
[訓] かんがえる
とどめる
とどこお

《意味》

  1. とどまる。とどめる。一定のところまでとどいてとまる。とどこおる。ためらう。「稽留」
  2. かんがえる。よせあわせてかんがえる。「稽古」
  3. くらべる。比較する。
  4. たたく。地につける。「稽首」

【稽える】かんがえる

物事を突き詰めて考え合わす。寄せ集めて引き比べる。

【稽淹】けいえん

とどめること。とどまること。

【稽緩】けいかん

とどこおって、ぐずぐずすること。

【稽古】けいこ

学問・武術・芸能など諸芸を習うこと。
また、演劇・映画・放送などの予行演習。リハーサル。
「ピアノの稽古をする」
書き下し文は「(いにしえ)(かんが)う」で、本来は昔のことを考え調べる意。

【稽査】けいさ

考えしらべること。

【稽首】けいしゅ

  1. 体を曲げ、頭を地につけて行う礼。ぬかずくこと。高い敬意を表す。
    頓首(とんしゅ)とともに中国で最も重い礼。
  2. 手紙の終わりに書いて敬意を表す語。頓首。

【稽留】けいりゅう

とどまること。とどこおること。
「稽留熱(=一日の体温の変動が一度以内でしかも長期にわたり高熱状態を維持する熱型。腸チフス・ワイル病・髄膜炎・粟粒結核などにみられる)」
稽遅(けいち)」「稽停(けいてい)

【稽遅】けいち

「稽留」に同じ。

【稽停】けいてい

「稽留」に同じ。

【会稽の恥】かいけいのはじ

以前に受けた手ひどい恥。戦いに負けた恥。
中国の春秋時代、越王勾践(こうせん)が会稽山で呉王夫差(ふさ)に敗れたが、後年この恥をそそいだという故事から。

会稽の恥を雪ぐ】かいけいのはじをすすぐ

屈辱に耐えて復讐を遂げるたとえ。
中国の春秋時代、越王勾践(こうせん)が呉王夫差(ふさ)に会稽山で敗れてのち、夫差の石淋(せきりん)(結石)をなめて病状を察し機嫌を取るほどの屈辱に耐えながら、やがて呉を滅ぼして恥をすすいだという故事から。
(せきりん)の味を()めて会稽(かいけい)の恥を(すす)ぐ」とも言う。
薪嘗胆(がしんしょうたん)

【会稽を遂げる】かいけいをとげる

会稽の恥をそそぐ。復讐する。
「会稽の恥を雪ぐ」

【荒唐無稽】こうとうむけい

根拠がなく現実性のないこと。でたらめ。
「荒唐無稽な計画」
「荒唐」はそれぞれの漢字の意味と無関係で、状態を表す「漢字の擬態語」。

【滑稽】こっけい

  1. おどけていておもしろおかしいこと。
    剽軽(ひょうきん)
  2. ふざけていて、ばからしい感じがすること。ばかばかしくて、まともに相手にする気になれないこと。
    笑止(しょうし)
「滑」はなめらか、「稽」はとどまる意で、弁舌が緩急自在なことからといわれる。一方、それぞれの漢字の意味と関連性はなく、「漢字の擬態語」とも考えられる。

【滑稽洒脱】こっけいしゃだつ

機知に富み、弁舌さわやかに会話を操り、俗気が無くさっぱりとしていること。
軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)

【不稽】ふけい

言説に確かなよりどころがないこと。でたらめ。無稽。
荒誕(こうたん)不稽(=荒唐無稽)」

【無稽】むけい

でたらめでよりどころのないこと。不稽。
「荒唐無稽」

【無稽の言】むけいのげん

根拠のない言葉。でたらめな話。荒唐無稽な話。

《字源》

(けい)+(ゆう)+旨」
形は軍門の表木で、陣営の前に上部に横木をつけた木を立てた。
「和歴(歷)休」に含まれる「禾」「木」で、この陣営で行われることを表す。
聖所を守る標榜の木だから、犬の犠牲をかけた。
は死んだ犬の形。
「旨」祈禱(きとう)によって神霊が降下する形。
神を迎えて神意を量るので、考える意になる。

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