【焚】 12画 (8) 準1級


[音] フン
   
[訓]

《意味》

やく。たく。やける。もやす。もえる。

【焚き付ける】たきつける

  1. 火をつけて、燃やし始める。
  2. おだてたり、けしかけたりして、その気になるようにしむける。そそのかす。(せんどう)する。

【焚き火】たきび

  1. 屋外で、落ち葉などを集めて燃やすこと。また、その火。
  2. かまどや炉などで火を()くこと。また、その火。
  3. かがり火。燎火(りょうか)

【焚く】たく

  1. 火を燃やす。また、火にくべて燃やす。
  2. 火を燃やして湯を沸かす。
  3. 火をつけて香を(くゆ)らす。「香を焚く」
    「炷く」「薫く」とも書く。
  4. 写真撮影でストロボを発光させる。「フラッシュを焚く」

【焚琴煮鶴】ふんきんしゃかく

殺風景なことのたとえ。また、風流心のないことのたとえ。
琴を焼き、鶴を煮る意から。
背山起楼(はいざんきろう)」「清泉濯足(せいせんたくそく)

【焚刑】ふんけい

火あぶりの刑。火刑。

【焚殺】ふんさつ

焼き殺すこと。焼殺。

【焚ふんしゃく

  1. やくこと。
  2. 刑として火あぶりにすること。
  3. ひどく暑いさま。
  4. ひどく心を苦しめること。

【焚書】ふんしょ

学問・言論・思想圧迫の手段として、書物を焼き捨てること。

【焚書坑儒】ふんしょこうじゅ

思想・学問・言論を弾圧すること。
「焚書」は書物を焼き捨てること。「坑」は穴埋めにすること。「儒」は儒者の意。
中国、秦の始皇帝が行なった思想弾圧。
中国の秦の始皇帝が、儒者の政治に対する批判を禁ずるため、儒教の書物を焼き、儒者を穴に埋めて殺したことから。

【焚ふんりゃく

家を焼き、家財を盗むこと。

【焚く】やく

火をつけて燃やす。

【罐焚き・缶焚き】かまたき

かまの火をたくこと。また、その人。ボイラーマン。
親しみを込めて言う。
「缶」は代用字。

【玉石倶に焚く】ぎょくせきともにやく

善悪・賢愚などの別なく、ともに滅びること。
値うちのある玉もつまらない石も共に焼けてなくなる意から。

【沈香も焚かず屁も放らず】じんこうもたかずへもひらず

特に良いところもなければ悪いところもなく、平平凡凡であることのたとえ。
お香を()くといった風雅なこともしないし、かといって不作法に人前でおならをするわけでもないという意。
「沈香」は、アジアの熱帯地方に分布するジンチョウゲ科の常緑高木。また、そこからとれる香料。
「可もなく不可もなし」「毒にも薬にもならぬ」

を焚く】わらをたく

  1. 人をそそのかす。()きつける。入れ知恵をする。
  2. 欠点をあげて悪く言う。けなす。中傷する。

《字源》

「林火」。林野に火を放つ形。
「焚」の甲骨文字。

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