[音] | ハイ |
バイ |
[訓] | ほえる |
《意味》
ほえる。犬が鳴く。
【吠える】ほえる
「吼える」「咆える」とも書く。
【吠影吠声】はいえいはいせい
一人がうそを言い立てると、多くの人がそれを伝えて、真実らしく聞こえるようになるということのたとえ。
付和雷同することを戒めた言葉。
一匹の犬が物影におびえてほえると、周りの他の犬もそれにつられてみんな吠え出すという意。
「影に吠え声に吠ゆ」が書き下し文。
「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」「一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」ともいう。
「吠形吠声」「吠夜之犬」「付和雷同」
【吠日之怪】はいじつのあやしみ
見識の狭い人が賢人の言行を疑って非難することのたとえ。
蜀の地方は、山国で雨や霧が多くて太陽を見ることが少ないので、たまに太陽を見ると、犬が怪しんで吠えたてるということから。
「蜀犬吠日」「呉牛喘月」「越犬吠雪」
【狗吠緇衣】くはいしい
いつも着ている服装を変えると怪しまれてしまうこと。
「狗吠」は犬が吠えること。「緇衣」は黒い衣服。
「狗緇衣に吠ゆ」が書き下し文。
楊朱の弟の楊布が白衣で外出して雨に濡れ、黒衣で帰ると飼い犬が楊布に気づかず吠えた。怒った楊布が殴ろうとすると、楊朱が「白い犬が黒くなって帰ってきたら、お前も怪しむだろう」と制したという説話から。
【蜀犬吠日】しょくけんはいじつ
見識の狭い人が賢人の言行を疑って非難することのたとえ。
また、見識の狭い者が無用の疑いを抱いて非難すること。
蜀の地方は、山国で雨や霧が多くて太陽を見ることが少ないので、たまに太陽を見ると、犬が怪しんで吠えたてるということから。
「吠日之怪」「呉牛喘月」「越犬吠雪」
人はそれぞれ自分の仕える主人に忠を尽くすもので、善悪をわきまえて尽くすわけではないということ。
また、善悪の評は立場をかえれば逆になることのたとえ。
大どろぼうの盗跖の犬が、聖人の尭帝に対してほえるという意。
【邑犬群吠】ゆうけんぐんばい
つまらない者同士が集まって、あれこれ騒ぎ立てること。
村里の犬が集まって盛んに吠えたてる意から。
【驢鳴犬吠】ろめいけんばい
下手でつまらない文章や聞く価値のない話のたとえ。
「蛙鳴蟬噪」「驢鳴狗吠」「驢鳴牛吠」