【胡】 9画 (5)  準1級


[音]
[訓] あごひげ
えびす
なん
でたらめ
ながい
みだ
いずくんぞ

《意味》

  1. ひげ。垂れさがったあごの肉。また、転じて、垂れてあごをおおったひげ。
  2. でたらめ。うたがわしいこと。「胡散」「胡乱」
  3. えびす。中国の北方や西方に住む遊牧民族の総称。北狄(ほくてき)。また、その産物を表す言葉。
    もと、あごひげの長い人種の意。「胡弓」
  4. なに。なんぞ。なんの。いずくんぞ。疑問・反語を表す助字。

【胡座・胡あぐら

股を開き、両足を前に組んで(楽に)すわること。また、その姿勢。
「胡座をかく」
「こざ」とも読む。「趺坐」とも書く。

【胡燕子】あまつばめ

アマツバメ目の総称。
「雨燕」とも書く。
Wikipediaアマツバメ目

【胡豆】いわふじ

ニワフジ(庭藤)の別称。
「岩藤」とも書く。
Wikipediaニワフジ

【胡散】うさん

たがわしいようす。あやしいようす。
「胡散らしい」「胡散臭い」
胡乱(うろん)

【胡乱】うろん

確かでないようす。正体がわからずあやしいようす。行動が確かでなく疑わしいようす。うさんくさいようす。
「胡乱な男」

【胡菫菜】えぞすみれ

エイザンスミレ(叡山菫)の別称。
夷菫」とも書く。
植物園へようこそ!エイザンスミレ

【胡】えびす

中国で北方、または西方の異民族。また、その異民族の住む地。北狄(ほくてき)

【胡黎】きやんま

トンボの一種。
「黄蜻蜒」とも書く。

【胡きゅうり

ウリ科のつる性一年草。まきひげがある。
「黄色のウリ」の意から。
「胡瓜」は漢名から。「黄瓜・木瓜」とも書く。
Wikipediaキュウリ

【胡頽子】ぐみ

アキグミ・ナツグミ・ツルグミ・ナワシログミなど、グミ科グミ属の植物の総称。実は食用。
「茱萸」とも書く。
Wikipediaグミ(植物)植物園へようこそ!グミ

【胡桃】くるみ

クルミ科の落葉高木。山地に自生する。
「山胡桃・呉桃」とも書く。
Wikipediaクルミ

【胡笳】こか

  1. 胡人が用いた、の葉を巻いた笛。哀調深いものとして詩文に詠み込まれる。
  2. 雅楽で使われる篳篥(ひちりき)類の別名。

【胡鬼板】こぎいた

羽子板のこと。
はねつきの羽を「胡鬼の子」ということから。

【胡弓】こきゅう

日本や中国で使われる弦楽器。形は三味線に似て小形。弦は二~四本で、馬の尾の毛を張った弓でこすって鳴らす。
「鼓弓」とも書く。
Wikipedia胡弓

【胡椒】こしょう

コショウ科のつる性の常緑低木。原産地はインド。
「胡椒」は漢名から。
Wikipedia胡椒

【胡髥】こぜん

あごひげ。
「胡」はあごの垂れた肉。

【胡孫入袋】こそんにゅうたい

重要な役職について自由がきかなくなることのたとえ。在野の人が官職について自由が奪われることのたとえ。
また、一般に自由に物事が出来ないことのたとえ。
「胡孫」は猿のこと。猿が袋に入れられて身動きが出来ないという意から。
「胡孫」は「猢孫」とも書く。

【胡こちょう

チョウの古風な言い方。
「蝴蝶」とも書く。
《胡の夢こちょうのゆめ
現実の世界と夢の世界とが区別できない境地のたとえ。また、この世がはかないことのたとえ。
荘周(荘子)は自分がチョウになった夢を見たが、目が覚めて後、チョウになった荘周が本当の自分なのか、チョウではない荘周という人間が本当の自分なのかわからなくなったという故事から。
「夢に胡蝶となる」「荘周の夢」ともいう。

【胡蘭】こちょうらん

ラン科の常緑多年草。洋蘭の一種で、観賞用に栽培される。
花の形がチョウに似ているから。
Wikipediaコチョウラン

【胡狄】こてき

辺境の異民族。胡人と狄人(中国北方の民族)の意から。

【胡馬北風に依る】こばほくふうによる

故郷がなつかしく忘れ難いことのたとえ。
胡馬(西方、または北方の遊牧民族の地に産する馬)は北風が吹くたびに胡国を慕っていななくという故事から。
越鳥(えっちょう)南枝(なんし)()くい胡馬北風に(いなな)く」
単に「胡馬北風」ともいう。

【胡粉】ごふん

白色の顔料。貝殻を焼き、砕いて粉末にしたもの。成分は炭酸カルシウム。室町時代以降用いられる。

【胡麻】ごま

ゴマ科の一年草。種子は小さく、油を含む。食用とし、また、油をとる。
Wikipediaゴマ

【胡麻擂り】ごますり

自分の利益をはかるため他人の機嫌をとること。またその人。

【胡麻斑天牛】ごまだらかみきり 

カミキリムシの一種。体長約3㎝。体は黒色で白斑が散在する。触角が長い。幼虫は樹木を食害する。日本各地と台湾・中国に分布。

【胡麻の葉草】ごまのはぐさ

ゴマノハグサ科の多年草。原野に自生。茎は高さ1.5メートルに達する。葉は長卵形でゴマの葉に似る。
Wikipediaゴマノハグサ科

【胡麻斑海豹】ごまふあざらし

アザラシ科の海生哺乳類。体長1.8メートル内外。体は灰褐色ないし銀灰色で、ゴマを散らしたような白・黒の小斑がある。
Wikipediaゴマフアザラシ

【胡虜】こりょ

古代中国で、北方の異民族をののしっていう語。北狄(ほくてき)
《参考》特に「匈奴(きょうど)」をさすことが多い。

【胡盧ころだい

イサキ科の海水魚。日本南部の沿岸に分布。
海水魚図鑑コロダイ

【胡銅器】さはり

銅・スズ・鉛の合金。また、それを用いた、仏具や種々の器物。たたくと良い音がする。
「響銅・砂張」とも書く。

【胡孫眼】さるのこしかけ

担子菌植物サルノコシカケ科に属する木質のキノコ類の総称。
「猿の腰掛」とも書く。

【胡蝶花】しゃが

アヤメ科の常緑多年草。日陰の地に自生し、また、庭にも栽植される。
「射干」とも書く。
Wikipediaシャガ植物園へようこそ!シャガ

【胡すずめばち

スズメバチ科の昆虫。日本で最大のハチ。
「胡蜂」は漢名から。「雀蜂」とも書く。
Wikipediaスズメバチ

【胡黄蓮】せんぶり

山野に自生するリンドウ科の越年草。秋、紫色の線条のある白い花を開く。全体に苦みが強く、乾燥したものをじて胃腸薬にする。
煎じて千回振り出してもまだ苦い意という。
「千振」とも書く。
植物園へようこそ!センブリ

【胡獱】とど

アシカ科の哺乳類。アシカ類中最大で、雄は体長3メートル、体重1トンに達し、雌はやや小さく2.5メートルほど。体は黄褐色ないし暗褐色。主に魚を捕食する。
「海馬」とも書く。
Wikipediaトド

【胡ぞ】なんぞ 

どうして。なんで。疑問、反語の助字。

【胡蘿蔔】にんじん

セリ科の一年生または二年生の植物。
「胡蘿蔔」は漢名から。「人参」とも書く。
Wikipediaニンジン

【胡枝子・胡枝花】はぎ

マメ科ハギ属の落葉低木の総称。夏から秋、紅紫色の蝶形花を総状につける。
Wikipediaハギ
「胡枝子・胡枝花」は漢名から。
」とも書く。

【胡籙】やなぐい 

矢を入れて携行する道具。
「ころく」とも読む。

【胡蝶樹】やぶでまり 

スイカズラ科の落葉低木。5、6月ごろ、小花を密につけ、周りを白い大きい装飾花が囲む。
Wikipediaヤブデマリ
手毬」とも書く。

《字源》

声符は「古(こ)
『説文』によると、牛のあごの下の垂れ肉をいう。
よって、余分のものが一所に停滞する意をもつ。

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