13画 (10) 準1級


[音] モウ
ボウ
[訓] おお
こうむ
くら
おさない

《意味》

  1. くらい。上からおおわれてくらい。光がくらい。もやもやしてみわけがつかないさま。
  2. おろかで、道理がわからないこと。また、幼くて物事の道理がわからない。また、もの知らずの子ども。「無知蒙昧」
  3. おおう。おかす。上からかぶせる。おおいかくす。また、かぶさったものを自ら進んでおしのける。
  4. こうむる。ある事を身にうける。また、かぶる。

【蒙い】くらい

事情を知らない。また、道理を知らない。
「理に蒙い人が多い」

【蒙る】こうむる

身に受ける。また、かぶる。
「災いを蒙る」「恩恵を蒙る」

【蒙もうまい

  1. もやや霧が深くて暗いこと。
  2. 知識がなく、物事の道理をよく知らないこと。
    「無知蒙昧な人々を救済した」
    愚昧(ぐまい)
「曚昧」とも書く。

【啓蒙】けいもう

無知の人々に正しい知識を与えること。啓発。

【呉下蒙】ごかのあもう

いつまでたっても学問が進歩しない人。無学な者のたとえ。
「呉下」は呉の国にいるということ。「阿蒙」は蒙さんの意。「呉の国の蒙さん」ということ。
三国時代の呉の呂蒙(りょもう)が君主孫権から読書を勧められて学問に励んだ。のち魯粛(ろしゅく)が呂蒙にあって、その学識におどろき、以前の呉の阿蒙ではないといった故事から。

こきゅうもうじゅう

富貴の人の行いが治まらず国家が乱れることのたとえ。
富貴の人が着るキツネの皮衣の毛が乱れる意。
「狐裘」はキツネの毛で作った高価な皮衣。「蒙戎」は物が乱れるさま。

【発蒙】はつもう

  1. 暗いところを開いて明るくする。物事の道理をよく知らない人に、よくわかるようにすること。啓蒙。
  2. 物のおおいをとり去る。非常にたやすいことのたとえ。

【発蒙振落】はつもうしんらく・もうをひらきらくをふるう

物事のたやすいことのたとえ。
かぶさったおおいをとり、落ち葉をふるいおとす。

《字源》

頭部をも含む獣皮の全体像である象形文字。くさかんむりの部分は角や耳を表す。
獣皮をかぶる意をもつ。
「蒙」の金文。

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