【狐】 9画 犭(6) 準1級
[音] | コ |
[訓] | きつね |
《意味》
きつね。イヌ科の哺乳類。
【狐】きつね
【狐薊】きつねあざみ
キク科の越年草。路傍・田などに生える。名前も形もアザミに似ていて紛らわしいが、アザミ属の植物ではない。
高さ約80センチメートル。葉は羽状に深裂、下面に白綿毛を密生する。晩春、枝端にアザミに似た淡紅紫色の小頭花をつける。
植物園へようこそ!「キツネアザミ」
「泥胡菜」とも書く。
【狐仮虎威】こかこい
力のないものが権勢ある者の力に頼り、そのかげに隠れていばること。
「狐、虎の威を借る」が書き下し文。
【狐疑逡巡】こぎしゅんじゅん
疑い深く、決断をためらうこと。優柔不断のさま。
「狐疑」は相手をあれこれと疑うこと。「逡巡」はぐすぐすしてためらうこと。
「首鼠両端」「遅疑逡巡」「右顧左眄」「瞻前顧後」
全体としては立派だが、よく見れば多少の難があるというたとえ。
「狐裘」はキツネの毛で作った高価な皮衣。「羔袖」は子羊の皮で作った安価な袖。
高価な皮衣を着て立派に見えるが、袖が安価な子羊の皮では釣り合いがとれないという意。
「白璧微瑕」「山藪蔵疾」
富貴の人の行いが治まらず国家が乱れることのたとえ。
富貴の人が着るキツネの皮衣の毛が乱れる意。
「狐裘」はキツネの毛で作った高価な皮衣。「蒙戎」は物が乱れるさま。
【狐死首丘】こししゅきゅう
故郷を忘れないたとえ。また、物事の根本を忘れないたとえ。
キツネは自分が生まれ育った丘の方に頭を向けて死ぬということから。
「狐死して丘に首す」が書き下し文。略して「首丘」ともいう。
「越鳥南枝」「胡馬北風」「池魚故淵」
【狐狗狸】こっくり
占いの一種。こっくりさん。
Wikipedia「コックリさん」
「狐狗狸」は当て字。
【狐媚】こび
狐が人をばかすこと。また、狐が人をだますように、こびへつらって人を惑わすこと。
【狐媚猫馴】こびびょうじゅん
よこしまな臣下のたとえ。
「媚」はこびを売る、「馴」はなれてじゃれついてくることで、狐のようにこびを売り、猫のようになれてじゃれついてくる意から。
【狐狸】こり
【狐狸妖怪】こりようかい
人間をだましたり怖がらせたりする悪い生き物や化け物のこと。
また、密かに悪事を働く者のたとえ。
「狐狸」はキツネとタヌキで人をだまして、こそこそと悪事を働く者のたとえ。「妖怪」は化け物のこと。
【狐臭】わきが
腋臭症の俗称。腋の下から不快な臭気を放つ症状。また、その臭気。
「腋臭・胡臭」とも書く。
上に立つ者が倹約に努め、職務に励むこと。
「晏嬰」は人名で中国春秋時代の斉の宰相、「狐裘」は狐の脇の下の白い毛の部分で作った衣のこと。
晏嬰は、高価であるが一枚の狐裘を三十年間着用し、職務にいそしんだので名宰相といわれたという故事から。
「一狐裘三十年」ともいう。
小さな利益を上げるために、かえって大きな損失を被るたとえ。
人は時に物事の本質を見極められず、大事な物を失う事への戒め。
「戎馬」は戦いに使うウマ。「狐狸」はキツネとタヌキ。貴重な兵馬を殺して、値打ちのないキツネやタヌキを追い求める意から。
【城狐社鼠】じょうこしゃそ
権力者の陰に隠れて悪事を働く者のたとえ。権力者の側にいるため追い払うことができない悪者。
城内に住むキツネと社に巣くうネズミは退治することが難しいということから。
「眼中の釘」「君側の悪」
【千金の裘は一狐の腋に非ず】せんきんのきゅうはいっこのえきにあらず
国を治めたり大事業を成し遂げたりするには、大勢の人の知恵によらなければならないというたとえ。
キツネの脇の下の皮で作る高価な皮衣は、一匹のキツネの皮では作れない意から。
【董狐の筆】とうこのふで
権勢を恐れず、ありのままに歴史に書き記すこと。
春秋時代、晋の歴史官董狐が、趙穿が主君の霊公を殺したのに、とり締まるはずの趙盾が何もしなかったので、趙盾に罪があるとして、趙盾が殺したと歴史書に書いたことから。
【兎死狐悲】としこひ
同じ仲間の不幸を悲しむこと。
他人の災いと同じことが、いつ自分に降りかかってくるか分からないたとえ。
ウサギが人間に捕まって殺されると、キツネが今度は自分の番かと悲しむ意から。
「兎死して狐悲しむ」が書き下し文。
「狐死兎泣」「狐兎之悲」