【阿】 8画 阝(5) 準1級
[音] | ア |
[訓] | くま |
よる | |
おもねる | |
ひさし | |
お |
《意味》
【阿吽・阿呍】あうん
《阿吽の呼吸》あうんのこきゅう
二人以上で何かをするとき、口には出さないが気持ちが通じ合っていること。
「夫婦の阿吽の呼吸で成し遂げる」
【阿魏】あぎ
セリ科の多年草。イラン・アフガニスタン地方原産。茎は太く高さ約1メートル。葉は大きく、形はニンジンに似て羽状に細裂する。茎頂に黄色の小花を多数つける。
茎から取れるゴム状樹脂を固めて、咳止め・虫下しなどの薬用にする。
イラン語から。
【阿嬌】あきょう
美しい女性。美人。
「漢武故事」より。「阿」は親しみを表す語。「嬌」は漢の武帝の后の幼名。
【阿候鯛】あこうだい
深海の岩場にすむフサカサゴ科の海水魚。体色は鮮紅色。食用。あこう。
「赤魚鯛」とも書く。
【阿漕】あこぎ
貪欲で無情なさま。強欲であくどいさま。
「阿漕な商売」
「阿漕」は「阿漕ケ浦」の略で、現在の三重県津市東南部の海岸。古くから、伊勢神宮に奉納する魚をとるため禁漁地であったが、漁師が何度も密漁して捕らえられたという伝説から、しつこくずうずうしい意を生じたもの。
【阿古屋貝】あこやがい
ウグイスガイ科の二枚貝。暖かい海にすむ。形はほぼ四角で、からは黒い。養殖して真珠の母貝とする。肉は食用。たまがい。真珠貝。あこや。
昔、知多半島(愛知県)の阿古屋浦でたくさんとれたのでいう。
Wikipedia「アコヤガイ」
【阿含】あごん
釈迦の説いた教法のことで、原始仏教の教典のこと。大乗仏教以後は、小乗仏教の教典のこと。
【阿闍梨】あじゃり
「あざり」とも読む。
【阿修羅】あしゅら
Wikipedia「阿修羅」
【阿育王・阿輸迦王】あしょかおう
インド、マガダ国の王でマウリヤ朝の第三代の王。紀元前三世紀頃、初めてインドを統一。仏教を保護し広めた。
【阿世】あせい
世間にこびへつらうこと。世におもねること。
「曲学阿世の徒」
【阿僧祇】あそうぎ
【阿段】アダム
アダム。旧約聖書の登場人物。
Wikipedia「アダムとイブ」
「亜当」とも書く。
【阿茶羅漬(け)】あちゃらづけ
大根、レンコン、カブなど季節の野菜などをきざみ、唐辛子を加えた甘酢に漬けたもの。ポルトガル人が伝えたという。アジャラづけ。
「アチャラ」はポルトガル語の料理名。
【阿党】あとう
権力のある者におもねり、くみすること。また、その仲間。
【阿堵物】あとぶつ
銭の異名。阿堵。
中国、晋・宋時代の俗語で「このもの」の意。晋の王衍が「銭」の語を忌んで代用したという。
【阿耨観音】あのくかんのん
三十三観音の一。この観音を念ずれば、海難を免れるという。尊像は岩の上に座って海面を見る姿。
【阿婆擦(れ)】あばずれ
悪く人ずれがして厚かましく、身持ちが悪いこと。また、そういう女。莫連。すれっからし。古くは男にもいった。
「阿婆」は当て字。
【阿鼻叫喚】あびきょうかん
災害・事故などで被害をうけた人々が助けを求めて苦しみ泣き叫ぶ、むごたらしい状態。
「巨大な地震で街は阿鼻叫喚の巷と化した」
阿鼻地獄でうける苦しみにたえられないで、亡者が喚き叫ぶ様子。
【阿鼻地獄】あびじごく
八大地獄の一つ。もっとも悪い罪を犯した人が死後、剣や刀の山、熱湯の池などでたえず苦しみをうける所。
「無間地獄・阿鼻焦熱地獄・阿鼻叫喚地獄」ともいう。
【阿付・阿附】あふ
相手の気に入るようにふるまい、へつらうこと。迎合。
「阿付迎合」
【阿富汗斯旦】アフガニスタン
アフガニスタン。西アジア,南はパキスタンと国境を接する高原状の内陸国。
Wikipedia「アフガニスタン」
【阿附迎合】あふげいごう
人に気に入られようとしてへつらい、おもねること。
「阿附」は「阿付」とも書く。
「阿諛追従」「阿諛追随」「迎合追従」「世辞追従」「阿諛曲従」「阿諛苟合」「阿諛奉承」「阿諛逢迎」「阿諛承迎」「阿諛便佞」「阿諛傾奪」
【阿弗利加】アフリカ
六大州の一つ。ヨーロッパの南方に位置する大陸。スエズ地峡によってアジア大陸と接する。赤道が中央部を東西に横切る。
「亜弗利加」とも書く。
【阿片】あへん
「鴉片」とも書く。
【阿呆・阿房】あほう
おろかなこと(人)。あほ。人をののしるときにも使う。
「ばか・とんま・まぬけ」
【阿房鳥】あほうどり
ミズナギドリ目アホウドリ科の海鳥の総称。海鳥としては最大。
無人島に棲息し人をおそれないため、容易に捕獲されことから。
「信天翁」とも書く。
【阿呆陀羅経】あほだらきょう
江戸後期、願人坊主のうたった巷談・時事風刺などの俗謡。「阿弥陀経」をもじった経文まがいの文句を小さな二つの木魚をたたいて拍子を取りながらうたって、銭を乞い歩いた。
【阿保の功】あほのこう
子どもを守り育てた功績。貴人の子のお守り役としての功績と名誉。
「阿保」は子どもを守り育てることで「あほう」とも読む。
「帽子を阿弥陀にかぶる」
《阿弥陀も銭で光る》あみだもぜにでひかる
金の力は絶大であるというたとえ。
阿弥陀仏の御利益さえ、供える金の多少によるということから。
「阿弥陀の光も銭次第」ともいう。
「金の光は阿弥陀ほど」「地獄の沙汰も金次第」「金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる」
【阿夢森】アムンゼン
アムンゼン。探検家の名。
Wikipedia「ロアルド・アムンゼン」
物事の見分けがつかない愚か者のこと。また、間違えのこと。
「阿爺」はお父さんのこと。「下頷」は下顎のこと。
愚かな息子が、戦死した父親の骨を戦場に探しに行き、馬の鞍のかけらを父親の下顎の骨と思いこんで大切に持ち帰ったという説話から。
「下頷」は「かがん」とも読む。
【阿諛】あゆ
相手の気にいるようなことを言って(して)機嫌をとること。へつらうこと。おべっか。
「追従」「迎合」
【阿諛傾奪】あゆけいだつ
身分や権力のある者におもねり、他人の地位を傾け奪うこと。
【阿諛追従】あゆついしょう
相手に気に入られようとこびへつらうこと。
「阿附迎合」
【阿諛便佞】あゆべんねい
口先でへつらって、人の気に入るようにずるがしこく立ち回ること。
「便佞」は口先はうまいが誠意がないこと。
【阿羅漢】あらかん
小乗仏教で、悟りを開いた修行者に与えられる、最高位の称号。また、悟りを開いた聖者。羅漢。
【阿剌吉】アラキ
江戸時代、オランダ人が伝えた酒。
Wikipedia「アラック」
【阿拉斯加】アラスカ
アラスカ。アメリカ合衆国で最大の州。北アメリカ大陸の北西端部を占める。石油・森林資源が豊富。水産業も盛ん。1867年ロシアから買収。1959年四九番目の州となる。州都ジュノー。
【阿拉巴麻】アラバマ
アラバマ。アメリカ合衆国の南部の州。綿花・落花生・鉄鉱石の生産地。州都モンゴメリー。
【阿頼耶識】あらやしき
知覚や認識・推論・自己意識などの諸意識の根底にある意識。すべての心の働きの源となるもの。唯識思想の八識の第八。
阿梨耶識。頼耶。頼耶識。蔵識。無没識。
【阿里蘇那】アリゾナ
アリゾナ。アメリカ合衆国の西部の州。南はメキシコと国境を接する。砂漠・山岳が多い。銅・鉛を産出。州都フェニックス。1912年四八番目の州になった。
【阿爾及】アルジェリア
アルジェリア。アフリカ北部、地中海南岸に臨む民主人民共和国。
Wikipedia「アルジェリア」
【阿轆轆地】あろくろくじ
物事が滞ることなくうまく回転すること。また、次から次へと言葉が発せられること。
「轆轆」は車が車が走るときのゴロゴロという音の形容。「阿」「地」も助字。
「轆轆」は「漉漉」とも書く。
【阿波】あわ
旧国名の一。徳島県全域に相当。阿州。
《阿波に吹く風は讃岐にも吹く》あわにふくかぜはさぬきにもふく
風俗や流行は一つの土地から他の土地へ、また、上の者から下の者へと移りやすいというたとえ。
讃岐は今の香川県。
【阿亀】おかめ
太って額や頰が出ていて、鼻が低く、丸い、女性の顔。また、その女性。おたふく。顔だちの悪い女性をあざけって言う語。
【阿菊虫】おきくむし
アゲハチョウの類のさなぎの俗称。尾部を樹皮に固定し、胸部は一本の糸で枝からつる。
後ろ手に縛り上げられた姿に似ているとして「播州皿屋敷」のお菊に擬えてこの名があるという。
【阿多福】おたふく
額の部分が広く前方に出ていて、頬がふくれ、鼻の低い女の顔の面。おかめ。
また、それに似た女の顔。顔だちの悪い女。女をののしっていう語。
【阿海阿】オハイオ
オハイオ。アメリカ合衆国中西部、エリー湖南岸にある州。鉄鋼都市クリーブランドがある。トウモロコシ・大豆の産地。肉牛・豚などの酪農も盛ん。州都コロンバス。
【阿る】おもねる
相手の気にいるようにする。機嫌をとる。へつらう。媚びる。
「大衆に阿る弁護士」
ヨーロッパ西部にある立憲君主国。ライン川河口部に当たる北海沿岸の低地を占め、国土の四分の一は海面下にある。
「和蘭」「和蘭陀」とも書く。
Wikipedia「オランダ」
【阿利布・阿利襪・阿列布・阿列襪】オリーブ
オリーブ。モクセイ科の常緑小高木。地中海地方原産。日本では香川県小豆島などで栽培。葉は対生し、長楕円形で革質。五、六月香りのある淡緑白色の小花をつける。果実は楕円形の核果で、未熟なものを塩漬けにして食用とし、熟果からはオリーブ油をとる。
Wikipedia「オリーブ」
【阿】くま
川や道などの折れ曲がって入りくんだ所。
「川の阿」「道の阿」
「曲・隈」とも書く。
【四阿】あずまや
四方ふきぬけで壁がなく柱だけの小屋。公園や庭園などの休息所にする。
「東屋」とも書く。「しあ」とも読む。
【曲学阿世】きょくがくあせい
学問の真理を曲げて、世間や時勢に迎合すること。
通常「曲学阿世の徒」と用いる。
「阿世曲学」ともいう。
【呉下阿蒙】ごかのあもう
いつまでたっても学問が進歩しない人。無学な者のたとえ。
「呉下」は呉の国にいるということ。「阿蒙」は蒙さんの意。「呉の国の蒙さん」ということ。
三国時代の呉の呂蒙が君主孫権から読書を勧められて学問に励んだ。のち魯粛が呂蒙にあって、その学識におどろき、以前の呉の阿蒙ではないといった故事から。