【頷】 16画 頁(7) 1級
[音] | カン |
ガン |
[訓] | あご |
うなずく |
《意味》
【頷】あご
口の下側の器官。下あご。おとがい。
「頤・顎」とも書く。
【頷く】うなずく
理解・同意・承認などの意を示すため、首を縦に動かす。
「肯く・首肯く」とも書く。
【頷聯】がんれん
漢文で律詩の第三・第四句のことで、対句をなす。前聯。
「起聯・頸聯・尾聯」
物事の見分けがつかない愚か者のこと。また、間違えのこと。
「阿爺」はお父さんのこと。「下頷」は下顎のこと。
愚かな息子が、戦死した父親の骨を戦場に探しに行き、馬の鞍のかけらを父親の下顎の骨と思いこんで大切に持ち帰ったという説話から。
「下頷」は「かがん」とも読む。
ツバメのようなあごと、トラのような首を持った意で、遠国の諸侯となるような人相の持ち主。また、堂々として優れた武勇の持ち主のたとえ。
後漢の班超はツバメのようなあごと、トラのような首をしており、初め官に雇われて筆書の仕事をしていたが、ある日思い立って出世をしたいと志し、占い師に見て貰ったところ、遠方で諸侯になる人相であると聞かされ、そのとおり戦勝して出世したという故事から。
「燕頷虎頭」
【燕頷投筆】えんがんとうひつ
一大決心をして志を立てること。
また、文筆をやめて武の道に進むこと。
「燕頷虎頸」の故事から。
【驪竜頷下の珠】りりょうがんかのたま
危険を冒さなければ得られないもののたとえ。大きな利益を得るためには大きな危険を冒さねばならないことのたとえ。
黒色の竜のあごの下にある珠という意から。
「竜頷を探る」ともいう。
【竜頷】りょうがん
竜のあご。美しい珠のあるところとされ、それを得ようと危険を冒すたとえにいう。
「りゅうがん」とも読む。
《字源》
声符は「含(がん)」。
「含」は「今+口」。
「今」は、壺などにする栓付きの蓋で「含」は「口」に栓をする形。
死者の口に栓をして、死気を遮蔽する意。
死者の復活を願って蝉形の玉器を用い、その玉器を含玉という。
後すべて内に含む意に用いる。
「含」は「頷」の意味を助ける。