【草】 9画 (6)  10級


[音] ソウ
[訓] くさ

《意味》

  1. くさ。草本植物の総称。
  2. ぞんざいなさま。まにあわせの。上等でない。そまつな。あらい。「草庵」
  3. 物のはじまり。くさわけ。「草創」
  4. ざっとした下書き。「草案」
  5. 書体の一つ。前漢代中期に発生する。「草書」

【草熱れ】くさいきれ 

夏の強い日差しを受けて、草むらから立ちのぼる、むっとする熱気。

【草摺】くさずり 

(よろい)の付属具。鎧の衡胴(かぶきどう)から垂らし、下腹部・大腿部を保護するもの。足さばきをよくするため、数か所縦割りにしてある。

【草薙剣】くさなぎのつるぎ

三種の神器の一つ。記紀で素戔嗚尊(すさのおのみこと)が退治した八岐大蛇(やまたのおろち)の尾から出たと伝えられる剣。天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)
Wikipedia天叢雲剣

【草雲雀】くさひばり 

コオロギ科の昆虫。体長5~8㎜。形はコオロギに似て、体色は黄褐色。触角が長い。秋の夕方、小さい木や生け垣の中でチリリ…と美しい声で鳴く。
google検索クサヒバリ

【草くさぶき 

(わら)(かや)などで屋根をふくこと。また、その屋根。

【草木瓜】くさぼけ 

バラ科の落葉小低木。日当たりのよい地に群生する。高さ約40㎝。葉は倒卵形。早春、朱紅色の五弁花をつける。果実は球形で、黄熟し酸味が強い。
植物園へようこそ!クサボケ

【草枕】くさまくら 

野宿。旅寝。旅枕。
昔、旅で寝るときは、草を結んで枕としたことから。

【草生す・草産す】くさむす

草が生える。雑草が生える。
「草生した庭」

【草くさむら

草がかたまって多くはえている所。
」とも書く。

【草連玉】くされだま 

サクラソウ科の多年草。湿地に生える。高さ0.5~1メートル。葉は披針形。夏から秋に、茎頂に大形の円錐花序を立て、多数の黄色の花をつける。マメ科のレダマに似るところからの名。黄連花。
植物園へようこそ!クサレダマ

【草れる】くたびれる 

  1. 体を使いすぎてこれ以上動くのがいやになる。疲れる。疲労する。精神的にもいう場合がある。
  2. 使い古して、みすぼらしい感じになる。人についていうこともある。

【草偃風従】そうえんふうじゅう

人民は天子の徳によって教化され、自然と付き従うようになるということ。
「偃」はなびく意。草は風が吹くと従いなびくという意から。

【草鞋】そうかい

わらじ。そうあい。

【草行露宿】そうこうろしゅく

道のない草原を歩き、夜は野宿して旅をすること。

【草草】そうそう

  1. 簡略にすること。粗末であること。また、そのさま。「お草草さまでした」
  2. 忙しいこと。あわただしいこと。また、そのさま。「草草に切り上げた」
  3. 手紙の末尾に書いて簡略をわびる語。頭語の「前略」「冠省」などに対応する。
「2.3.」は「匆匆」「怱怱」とも書く。

【草そうぼう

草とチガヤ。転じて、田舎。

【草危言】そうぼうきげん

民間人の国政に対する厳しい批判の声。
「草茅」は草むらの意で、転じて民間・在野の意。「危言」は正しいことを率直に言うこと。また、苦言・諫言。

【草昧】そうまい

世の中が未開で、物事が混沌としている状態。
「草昧の世」

【草満そうまんれいご

善政が続くこと。犯罪者がいない安定した社会のこと。
「囹圄」は牢獄のこと。牢獄がさびれて雑草が生えるほどだという意から。
「囹圄」は「れいぎょ」とも読む。
「草、囹圄に満つ」が書き下し文。

【草之臣】そうもうのしん

官職に就かない民間人。在野の人。
「草莽」はくさむら・田舎。転じて、民間・在野・世間。
「草莽」は「そうぼう」とも読む。
(そうぼう)之臣」「市井(しせい)之臣」

【草木皆兵】そうもくかいへい

びくびくして疑心暗鬼に陥ること。
戦陣において、恐怖のあまり草や木までも敵兵に見えることから。
疑心暗鬼(ぎしんあんき)」「風声鶴唳(ふうせいかくれい)

【草木獣】そうもくきんじゅう

地に生きるすべてのもの。
「禽獣」は鳥と獣の意。

【草そうらい

  1. 雑草の茂った土地。荒れ果てた地。
  2. 草深い田舎。地方。

【草履】ぞうり

主に和装の時に着用する、足の裏だけを保護するように作ったはきもの。鼻緒(はなお)をつけ、底は平らで長円形。わら・革・布・ビニールなどの比較的やわらかな材料でつくる。

【草廬】そうろ

  1. 草で作った小さな家。草庵。
  2. 自分の住居をへりくだっていう語。

【草廬三顧】そうろさんこ

礼を尽くして有能な人材を招くこと。
また、目上の人が目下である相手を手厚く迎えたり、優遇すること。
三国時代の中国で、(しょく)劉備(りゅうび)が無位無冠の諸葛(しょかつ)孔明を軍師に迎えるために、その草庵を三度も訪ねてようやく承諾を得たという故事から。
「三顧之礼」「三徴七辟(さんちょうしちへき)

【草石蚕】ちょろぎ

シソ科の多年草。中国原産の栽培種。高さ30~60㎝。葉は長卵形で対生。茎は四角形で、多くの細かいとげがある。秋、茎の先に紅紫色の唇形(しんけい)花を穂状に数段つける。冬、地下茎の先端に生ずる巻貝に似た塊茎は食用にする。
Wikipediaチョロギ
「玉環菜」「甘露子」とも書く。

【草蝦】てながえび

テナガエビ科のエビ。川や湖にすむ。体長は9㎝程で、緑褐色。食用。
Wikipediaテナガエビ
「手長蝦」とも書く。「くさえび」とも読む。

【草烏頭】とりかぶと

キンポウゲ科の多年草。山野に自生するが観賞用としても栽培される。
Wikipediaトリカブト
「鳥」とも書く。

【草鞋】わらじ

(わら)で編んだ、ぞうりに似た履物。爪先(つまさき)の長い緒を縁の()に通して穿()く。
「そうあい・そうかい」とも読む。


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